医療事務のインストラクターが想像と違った

私は学校を卒業して初めて就職した先が医療事務のインストラクターの仕事でした。この仕事に就こうと思ったきっかけは専門学校の先生にオススメされたからです。私は医療事務の学校に通っていたのですが、通う内に医療事務の仕事に興味がなくなってきました。なぜなら医療事務の仕事の給料がすごく安かったからです。せめて一般事務よりも給料が高かったら納得したのですが、信じられないくらい安月給で一般事務よりも全然手取りが少なかったです。これにショックを受けてもっと稼げる仕事に就こうと思いました。

そこで見つけたのがこの医療事務のインストラクターです。給料も高額で仕事も土日は必ず休みの週休2日制と書いてありました。私はこれを見て医療事務よりも絶対にこちらの仕事の方が良いと思いました。仕事の内容は詳細に分かっていたわけではありませんが、医療事務の専用のパソコンの使い方を教えるというだけなのでそれほど難しくはないだろうと勝手に思い込んでいました。今まで仕事の経験がそれほどなかったので、そのせいで考えも甘かったのだと思います。今考えたらこんなに給料が良く、休みもしっかり取れる魅力的な求人には何か裏があると疑うべきでした。まったく世の中の厳しさを知らなかった私は単純に医療事務よりも楽しそうだし、何よりも休みがたくさん取れるところに魅力を感じ、ここを選びました。

実際に面接を受けた時からちょっと嫌な予感はしていました。仕事の面接時に会った人がなんだかすごく怖そうで、顔からして厳しさが滲みだしていました。同じ学校の別のクラスの子と一緒に面接を受けたのですが、その子もしきりにそのことを気にしていました。でも、結局無事二人とも合格出来て、不安ながらも喜んでいました。一生懸命頑張って働こうと気合いを入れていました。ですが世の中そう甘くはなかったのです。

働き始めると医療事務のインストラクターの仕事の内容を教わりました。病院やクリニックに直接行き、そこで事務さんに専用のパソコンの使い方を一つ一つ教えて行くというものです。教えることは全部頭に叩き込み、かつ分かりやすく説明しなければいけないと言われました。学校に行っていたからといって、点数の算定やパソコンの使い方をすべて学んでいたわけではありません。なのに一日目から一冊の本を渡されて頭に叩き込んで来いと言われました。正直ページ数が尋常じゃないくらいあって、こんなの無理だと思いましたが、覚える努力をしました。でも二人して次の日は全然できなくて、厳しく注意されました。この初めの洗礼も影響してすでに、一日目で自分ができる仕事ではないと思いました。医療事務のパソコンの使い方を把握するのも簡単ではないのに、それを人に教えるとなど相当なスキルがいることだと思い知りました。

さらに問題はあって求人には週休二日制と書いてあり給料が書かれていました。ですので、私は週休二日制の上に高給料と思っていたのですが、実際は違いました。求人に記載されてあるのは、残業などを入れての月給であり、職場の先輩には週休二日制なんてとんでもないと言われました。週休二日あっても自分が持っている仕事が終わらなければ出てきて仕事をしなければいけませんし、急遽休日にインストラクターの仕事が入ることもあるそうです。夜は残業で22時頃まで残るという先輩方もいましたし、その頃は監査のようなもののせいで、残業を必要以上にさせたらいけないという問題が出てきており、残業をせずに家で残業代なしで働かないといけないという話があり、職場内もざわざわしていました。はっきり言って求人に書いてあったような魅力的な仕事ではありませんでした。

でも一度働き始めた仕事なので、文句はぐっと我慢して、半年ほど働きました。すべて知識が入っているわけではないのに、インストラクターで派遣されたときは、本当に緊張しましたが、なんとか乗り切れました。ですが、やはり残業の問題は大きくてあまりに無茶なことを言われて仕事を辞めました。このことから学んだことは待遇の良さそうな求人ほど要注意しなければいけないということです。絶対に何か裏があると覚悟しておいた方が良いでしょう。求人はある程度の基準として見るだけに留めて、自分がやりたいことをした方がずっと良いと思います。特に週休二日必ず休み何て都合の良い会社はほぼないと思った方が良いと思います。